コンプライアンスについて
この言葉、一度はお耳にされた方も多いと思いますが、どういう意味なのでしょう。
薬物療法においては、患者さんが医師の指示通りに薬を用いることを「コンプライアンス」、用いないことを「ノンコンプライアンス」と言います。この「ノンコンプライアンス」の理由としては、「飲み忘れ」が最も多く、次いで「病気がよくなったから」「薬の内容がよく分かっているので加減する」「副作用が怖い」「知り合いにそんな薬を飲んでいてはダメと言われた」「飲んでいても効果があるのか実感がない」など、患者さんの自己判断でお薬の服用を中止する例がかなり多くみられます。
悪影響はないのでしょうか?お薬を勝手に中止することで、より重大な副作用を生じる薬や病気があります。
例えば、高血圧の人が降圧剤を急に中止して、かえって急激な血圧上昇が起こったり(リバウンド現象といいます。)抗生物質を途中でやめてぶり返したり、病気が悪化することがあるので注意が必要です。また、1日3回毎食後に飲む薬が出ているが朝起きるのが遅く朝ご飯をとらないのでどんどん薬が余ってくる、なんていう話も良く聞きます。
仕事をされている方は昼は飲みづらい、出かけることが多いので薬を持って行ってまでは飲まないという方も多いです。そんな時は医師または薬剤師にご相談ください。飲み方を変えて良い場合もありますし、症状によってはお薬を減らすきっかけになることもあります。飲み忘れが多いという方も同じです。医師は処方したお薬は患者さんがきちんと飲んでいるものと思っています。きちんとコミュニケーションを図り、より良い治療を受けましょう。